(過去ログ09-10より)

 

(ログ09より) お祈りしてみる  <kei>

(ログ09より) オトナの水風船v  <いくり 他>

(ログ10より) わんこのお仕事  <kei>

(ログ10より) おべんきょしましょ!  <kei>

 

 
お祈りしてみる -kei

 2006/10/02(Mon) 12:33

 

アスランさんが行っちゃった。
シンを置いて行っちゃった。

メイニャン連れて、青いグフ(ザクとは違うのだよ、ザクとは!)。

追っかけたけど追いついたけど、ドカンてぶつかってグフは海の中。

青いグフ、暗い海の中へ落ちちゃったよ。

置いてけぼりの子わんこは、あれからずっと泣いている。
人前では絶対泣かないけど、でも。
ベッドに入って静かになって、お目目を閉じた暗い世界に浮かぶのはアスランさんの顔ばかり。

シンに笑う。
シンを怒る。
シンを抱っこしていい子だなって撫でてくれる。
腕と手と。

 

もうないの?

 

お父さんもお母さんもマユもステニャも
そうしてアスランさんも、シンを置いて行っちゃったんだ。

 

もう、ないの。

 

俺が言うこと聞かなかったからかな。
悪い子だったのかな。
フリーダム、やっつけたからなのかな。
アスランさんは、俺よりフリーダムが好きで、俺より、メイニャンがいいのかな。

だけど怒っても叩いても、アスランさん、優しかったのにな。
シンはいい子だって、言ってたのにな。

…レイが言うように、強くなって、ですてにーでいっぱい敵をやっつければ、アスランさんは帰って来るかも。
それで、シンはすごいなって。
シンはいい子だなって、また、抱っこしてくれるのかも。

シンはベッドに潜り込んで、丸くなる。
そうしてお祈りしてみる。

 

強くなります。
アスランさんが帰ってきますように。
いい子になります。
アスランさんが帰ってきますように。

いっぱいいっぱい、敵をやっつけます。

アスランさんが、帰ってきますよう

に。

 

※これがトラウマになりました。シンは「待て」と「お留守番」が大嫌いです!

 

 

 
オトナの水風船v -いくり

 2006/10/08(Sun) 22:17

 

ばちゃばちゃばちゃ。

お外でお水の音が聞こえます。
時々お庭を管理してくれる人が来て、水撒きをしてくれることがあるのですけれど、その音とは違います。
なんかもっと・・・ばちゃばちゃばちゃ。

あー、これは、とご主人様は思いました。
子わんこが水遊びしてるな。
子わんこ、水遊びはたいていお堀でするんですけれど、泳ぐにはもう、お水は冷たいんです。
だからお外の水道で・・・・ばちゃばちゃ。

「シーン、風邪ひくぞ、やめろよお前」

ご主人様はそう言って、廊下の大きな窓を開けました。
窓を開けて・・・固まりました。

「シ・・・何やってんだお前ーーー!!」
「あ、アスランさん見てーー!」

前庭の水道は、窓のすぐ下です。
そこで水遊びしてた子わんこは、得意げに肉球で掴んだものを掲げて、ご主人様に見せました。

「水風船っていうんだよ!縁日売ってたの、ムウさんに教えてもらったんだよ!」

いくらムウさんでも、こんな『水風船』を子わんこに教えるわけはありません。
ご主人様は慌てて窓を乗り越えると、子わんこから『水風船』を取り上げました。

「これはダメだって言ってるだろう!」
「なんでー!」
「なんででもだって言ってるだろう!」
「なんでなんでーーー!」
「・・・どうした」

お庭で騒ぐ二人の声に、旦那様が煩そうに窓から顔を出します。
静かにご本を読んでいたところだったので、ちょっとご機嫌悪いです。
でも、奥様がぶらーんとぶら下げたものを見て、思わずその場で吹きだしました。

「な・・・んだ、それは」
「イザーク!お前また出しっぱなしにしただろう!」
「だから、出したのは貴様だ、馬鹿者・・・・っ」

そうして、その場でしゃがみ込んで大爆笑。

「返してよーー!」

子わんこは、またわぁわぁ泣いちゃって。

「イザーク!お前笑ってないで風船買って来い!普通のやつ・・・違う、『水風船』!」

ご主人様も、半泣き。

 

それを、コーディネイタードッグの良いお耳で聞いていたレイは、とりあえずネットショップで本物の『水風船』を探してあげました。

「だから、何故学習しない・・・・」

そう、ぶつぶつ呟きながら。

 

※拍手でね、大人の風船に水入れて膨らますってのを教えてもらったんですよー!

 

子わんこ販売禁止令 -kei

 2006/10/06(Fri) 09:58

 

メディカルショップからヨウワンが出てくるのを見かけちゃったシン。

「ヨウワン、どっか怪我したのか? ビョーキなのか?」
「え、いや…そういう訳じゃないんだ。ちょっとした買い物だよ」

ヨウワン、そそくさ〜と行っちゃったけど、メディカルショップにはお薬とか絆創膏が売ってて、それが怪我したり病気の時に使うもので。
シン、ここにはまだ入ったことなかったんだ、そう言えば。
ヨウワンが行っちゃった後、シンはちょっと考えて、ショップの中に入ってみた。

ぷーんって消毒の匂い。
お薬の独特の匂い。
ここには隊長の趣味で漢方薬なんかも置いてあって、処方もそこでしてるから、ちょっと臭い臭いなのだ。
シンには馴染みの無いものばっかり!
お家では、ちょっと怪我したらアスランさんがシューってして絆創膏貼ってくれるから、絆創膏は知ってるけど。
でもいろいろ面白いな!

「あれ?」

あ、子わんこ、何かめっけましたよ。
棚の高い位置にありますよ。

でも子わんこはコーディネイタードッグなので、上手に棚をよじ登って行っちゃうんだ。

「風船だ!」

パッケージにはロケット風船のイラストが描いてあったので、字は読めなくても分かった。

「柄付きー♪ あ! 味付きもある♪」

シン、早速イチゴとバナナを持ってレジに向かう。
でもレジのおじちゃん、ちょっとびっくり!な顔で、それから困った顔。シン、ちゃんと銀色のカードも見せたんだけどな。

どうしたのかな。

おじちゃんがちょっと待っててねって奥に行っちゃって、少ししたら戻ってきて。で、もうちょっと待ってねって言って、もうちょっとしたらディアッカが来た。

「お前はまた…突拍子もないな」

って苦笑して、

「まぁ何事も経験だしv」

って、シンのカードでもって風船買ってくれた後に

「シン、あのな。この風船と甘くて美味しくて膨らむ風船と、交換しないか?」
「甘い風船?」

それどんなんだろう?
ディアッカはポケットからガムをを取り出して、おいしそうに噛んだ後…

 

ぷ〜

 

「わぁ、すげぇ!!」

ディアッカのお口から、風船が出てきたよ!
しかもこの風船、しぼんでもまた噛んで食べれるよ!凄いよ!

 

そんな訳で、子わんこのカード明細には『オトナの風船 いちご味☆』 が残った。
メディカルショップには、イチゴやバナナ味のシュガーレスガムが置かれるようになったのだ。

 

そうか! -いくり

 2006/10/05(Thu) 00:02

 

アレ、子わんこが風船だと思ったってことはさ。中身出てたってことだよね。
てことはつまり。

イザ「キサマが出したんだろうが!」
アス「俺はオマエに付けろって言ったんだ!つけなかったお前が悪い!」
イザ「だから出したのはキサマだろう!使わなかったんだからちゃんと捨てろ!」
アス「なっ・・・後始末はオマエがしろよ!」
イザ「キサマの始末はするが、ソレは・・・・」
レイ「隊長、元隊長。シンが聞いています」
シン「捨てるんならなんでくれないんだよ!風船!!」

 

そのまんまでいてくれ、子わんこ。
しかしアスワンさんとそーなっても、子わんこサイズはないんじゃないか?
どうなんだ!

せお様、アレってそんなに膨らむんですか!(爆笑

シン「風船ーーvv」
アス「お前・・・それどこからーーーー!!」
シン「アスランさんくんないんだもん。だからレイに膨らましてもらったんだもんね!」
アス「レイーーーー!!」
レイ「俺は膨らませてやりました。が、また出しっぱなしにしたのは貴方です!」

レイも大迷惑だ!

 

 

 
わんこのお仕事 -kei

 2006/10/12(Thu) 10:52

 

※まずはお仕事内容についての確認という、またも高いハードルにぶち当たってしまった子わんこのお話

 

Q.貴方のお仕事はなんですか?

シンは子わんこです。子わんこだけどザフト軍の軍犬で、しかもMSのパイロットで、その上エースパイロットです。

Q.貴方のお仕事はなんですか?

プラント宙域をパトロールします。それから、敵をやっつけます。

Q.敵って誰ですか?

 

 

 

「もういいよ!」

叫んで、シンはご主人様のお膝から飛び降りてリビングを飛び出しました。
ご主人様は慌てて止めようとしたけれど、ちいちゃい姿はあっと言う間に見えなくなってしまって。
だから、ただ、ため息ついてしまうのです。
お部屋でお勉強していたレイは、シンの怒った声と、それから怒ったまんまのシンがいきなりお部屋に入って来たのでため息、です。
でも、何も言わずにもぞもぞお布団に潜り込んだシンの様子に、開いていた教科書を閉じて、シンのベッドへ。
ちいちゃくこんもりしているお布団のそばに座って。シンのお尻あたりを、ぽんぽんって優しく叩きながら。

「めずらしいな。元隊長とケンカなんて」
「……アスランさんが、わるいんだもん」

ちょっぴり、シンの声は涙声です。
くやしくてしょうがないって感じです。

「ケンカ…『フリーダム』のことか?」
「………」

言わないけど、レイには分かります。
だってシンはフリーダムが嫌いです。
シンの大事なもの、取っちゃうのはいつだってフリーダムです。

おとうさんもおかあさんも
マユも

一生懸命、うたないでってお願いしたのに、ステニャを撃ったのも。

だけどそんな『フリーダム』はシンの大好きな大切なご主人様の幼馴染なのです。
だから、時々、シンはご主人様とケンカしちゃうのです。

「…アスランさんが、わるいんだもん」

俺は、こんなにくやしいのに。
あんなにいっぱい泣いたのに。
すごくすごく、哀しかったのに。
『フリーダム』はいつだって、シンの大事なものを取っちゃう悪い奴なのに。

「…だけど、シンは、俺のご主人様を許してくれただろう?」
「……だって、ステニャをうったのは『フリーダム』じゃんか……」
「…うん」

そうして、レイの大事な人を奪ってしまったのも…。
彼の人生を、狂わせてしまったのも…。

「アスランさんは、すぐ、『フリーダム』の味方する」

半分べそかいて、拗ねたようなシンの、くぐもった声がお布団の中から聞こえて、レイはまたうんって頷きました。

「元隊長にとって、『フリーダム』は幼馴染だから」

もぞもぞっとお布団が動いて、シンがひょっこり顔だけ出しました。

「”おなななじみ”ってなんだ?」
「幼馴染、だ。小さい頃からの仲良しなんだ」
「ふうん」
「だから、元隊長は、『フリーダム』が好きなんだ」
「…隊長のことより?」
「それは、好きの意味が違う」
「違う好きがあるのか?」
「好きは、たくさんある」
「じゃぁ、…俺よりは?」
「それも、違う。でも」

レイは、ちいちゃいお友達の頭を、やっぱり優しくぽんぽんって叩いて。

「シンが、一番だから、元隊長はシンと一緒にいるんだ」

そういうレイのお顔は、なんだか寂しそうでしたので。シンは、なんだか胸のトコがちくちくってなりまして。

「だけど、『フリーダム』も元隊長が好きだからな。もしかしたら、取り返しに来るかもしれない」
「そんなのダメだい!」

レイの言葉に、シンは勢い良く起き上がりました。
シンの大事なご主人様なのに、『フリーダム』なんかに渡しませんよ!

「俺が、アスランさん守るもん!」

シンの宣言に、レイはうんって頷いて。

「…それで、いい。大事な人、守らなくちゃ」
「うん!」

力強く、シンは頷き返します。
絶対絶対、アスランさんは渡しませんって誓います。
アスランさんも大好きなみんなも、シンは守ろうって誓います。

 

 

 

 

Q.貴方のお仕事はなんですか?

プラント宙域をパトロールします。それから、敵をやっつけます。

 

 

―――――Q.敵って誰ですか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
おべんきょしましょ! -kei

 2006/10/16(Mon) 12:15

 

シンは子わんこです。
子わんこなのでいろいろお勉強しないといけません。

「じゃぁ、今日はこのページをやってみようか」

ってご主人様が言いながら開いたのは算数のドリルのページ。いっぱい数字が並んでて、右には足し算の、左には引き算の式がいっぱいです。

「これ、できたら、もう遊んでもいい?」
「全部できたらな。答あわせするから、終ったら言うんだぞ」

ご主人様、シンの頭をぽんぽんって優しく叩いてお部屋を出て行きました。
お勉強の時は、気が散るから一匹だけでします。レイは今頃、ライブラリーから借りてきた本をリビングで読んでいるでしょう。
レイがお勉強してる時は、シンはお部屋に入りません。
さ。
子わんこのお勉強スタートです!

 

「大人しくしているようだな」

リビングに戻ってきたご主人様に、旦那様が言いました。
キカンボーでやんちゃな子わんこは、あんまりお勉強が好きではないのではと旦那様は思っていたので、ちょっと意外なのですが。
子わんこ、割と、大人しくお勉強するんですよね。
しかも

「文字を覚えるより、算数の方が得意みたいなんだ。いつも全問正解だし」

嬉しそうにご主人様が言うように、子わんこの計算には全然間違いがありません。

「俺に似て理数系が得意なのかもな。工学も教えてやろうと思うんだ」
「…お前に、どういう根拠で似るのか教えてくれ」

この犬ばかめ。
旦那様が呆れた顔をしている横で、ふと、レイは読んでいた本から顔を上げました。

「…元隊長」
「なんだ?」
「前々から、伺おうと思っていたのですけれど」
「うん?」
「勉強の前に、シンから携帯を預かっておられますか?」

 

………………携帯……………?

 

キョトンとしてしまったご主人様に、レイはため息です。

「シンは、携帯は使いこなせますよ。得意です。電卓機能も、勿論、知ってますけど」

 

………………電卓………………

 

子わんこの部屋までダッシュしたご主人様を見送り、直後に子わんこを叱る声ときゃんきゃん抗議する子わんこの声を聞きながら。
レイと旦那様、ため息なのです。

「充分、予想の範囲だとは思うのだがな…」
「元隊長は、あまりシンの先生には向かないかと」

ミネルバでも、課題だったシミュレーションを元隊長がしてしまったことがあります。

旦那様、がっくり。

 

その後、シンのお勉強はレイが見るようになりました。
携帯電話は勿論没収です。
だけど、子わんこ、紙に書けばちゃんと計算できるようになりましたよ!
今は分数のお勉強まで行ってます。

「さて。このケーキのお前の分は何分の何か言ってみろ」

おやつの時間の旦那様の意地悪にも

「4分の2−!!」
「誰が希望を言えと言ったー!」

数字の波間を漂う子わんこですが、いずれ何処かの岸に辿り着く…かも…ですね。